遠野市は、北上山地のほぼ中央に位置しています。
遠野郷の真ん中には、遠野盆地があります。一面の水田が広がり、農家の点在する典型的な日本の農村風景が広がっています。そしてその周りを、早池峰山をはじめとした北上の山々が取り囲んでいます。
里の風景と、山の自然,、そして語り継がれてきた民話の文化が混じり合いながら、遠野の四季を紡いでいきます。
そんな、遠野の四季を少しだけ紹介してみましょう。


  永い眠りから生物たちがいっせいに目覚め、活動を始めます。
モノトーンだった世界が、一気に色づき、一年で一番華やかな季節の到来です。

自転車道の桜並木
3月の半ば、真っ白だった田圃に黒い土が蘇り、北国に、遅い春が訪れます。

最初に咲くのが、マンサクの花。後は、水芭蕉、カタクリそして5月の連休は、桜が満開となります。その後も、コブシ、スズラン、山ツツジとひっきりなしです。

この頃になると、田圃に水が入り、遠野盆地が太古の湖であった時代に戻ります。

新緑が一番綺麗なのもこの季節。森では、カッコウとウグイスがデュエットを奏でます。高原では、牛馬の放牧が始まります。


マンサクの花

スズラン

高清水山のツツジと岩手山

早春の早池峰山

可憐なカタクリの花

水芭蕉

太古の姿の遠野盆地


    田圃を渡る風に、緑の稲穂が波模様を描きます。
 緑の絨毯広がる高原では、牛馬がノンビリと・・・・・。
 みちのくの夏の空は、あくまで蒼く澄み渡っています。

荒川高原から早池峰山を望む
遠野の夏は、早池峰山の山開きから始まります。遠野市の一番北に位置するこの山は、高山植物の宝庫として有名な山です。7月中旬〜8月上旬にかけて、雲上のお花畑が見られます。

一方、下界では、緑の稲穂の中を、旅人達が遠野の風を感じながらサイクリング。一番賑やかな季節です。

でも、花火大会が終わり、お盆がすぎると、高原ではススキの穂が開き赤トンボが飛び始めます。

短い、北国の夏が駆け足で過ぎてゆきます。


ハヤチネウスユキソウ

ヒメコザクラ

夏の荒川高原

ミヤマオダマキ

緑の絨毯

花火大会

花火大会


   実りの季節‥‥。重く頭を垂れた稲穂の上を、しし踊りの太鼓の音が渡っていきます。
山々では樹木が、美しい衣を渓流に映しています。

琴畑渓流
9月中旬には遠野で一番大きなイベント、「遠野まつり」が開かれます。
しし踊り、南部囃子、流鏑馬etcあらゆる郷土芸能が奉納され、実りの秋を迎えた喜びが、遠野の郷に満ちあふれる二日間です。

祭りが終わると、周りの山々は、一斉に色付き始めます。雲海が見られるのもこの頃です。

やがて、黄金色の稲穂の湖に黒い模様が増えていきます。稲刈りの始まりです。盆地が、真っ黒に戻る頃には、遠く早池峰山が雪をかぶります。

やがて、山から里に雪がおりてきて、盆地に初雪が降り、冬の到来を告げます。


南部流鏑馬

南部しし踊り

遠野盆地の雲海

似田貝神楽

黄金色の稲穂

琴畑渓流の紅葉


   昼間、陽に照らされ白く輝く大地も、日暮れとともに、全て白と黒のモノトーンの世界へ沈んでいきます。
しんしんと雪の降る夜は、囲炉裏を囲んで昔話でも‥‥。

厳冬の早池峰山と霧氷
12月の末になると、盆地にも雪の降る日が多くなり、やがて根雪となります。

吹雪の日は、横殴りの雪がふきつけ、全てのものを白く押し包みます。厳しい北国の冬の表情です。

でも、風がやむと、雪が全ての音を吸収したかのような静寂の世界が訪れます。
雪が降る、『しんしん』と言う音が、本当に聞こえるのを貴方知っていますか?

全てが凍てつくこの季節こそが、一番北国らしい表情を見せてくれる遠野の郷です。


冬の早池峰神社

霧氷

初冬の早池峰山

冬の使者白鳥

雪だるま

餅つき

節分

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